勤務中に失神した話

これから書く記事はタイトルを見ればわかる通り、勤務中に失神した話です。

皆さん失神したことありますか?

私は学生の頃、クソ暑い日にクラスメイトが脱水症状で失神して倒れて大層ビビった経験がありますが、自分も失神します。しかも割としてる。

頻繁ではないけれど、たまたま条件が重なったときになる失神です。

調べたところどうやらその失神は血管迷走神経反射性失神という名前らしいです。居酒屋でベロンベロンに酔っ払ったおねーちゃんがトイレで気を失ってるところに遭遇したことありませんか?それもこの失神です。

そして恥ずかしながら自分は今まで『条件が重なったら失神することがある』ということを知っていただけで、紆余曲折ありまして「えっ、私倒れてるときそんなだったの!?」というのをやっと今日知るに至った訳です。いい歳した大人が。おったまげー。

失神したことがある皆さん、失神したことない皆さん、失神に興味がある皆さん、まず読んで。あわよくば感想ください。

 

さて皆さん、学校や職場、またはお家で、親や先生、上司に怒られて失神する人、居ませんか?

それ、私。

自分が初めて失神を経験したのは小学2年生のとき。クラスに説教癖のある男の子K君がおりました。K君は毎回座りながら椅子を斜め後ろに傾けて通路を塞いでいた私に苛立っていたのか私のことが好きだったのか謎ですがしょっちゅう私に説教をかまして常に私を下に追いやるマウント男子でした。今なら殴れる。

休み時間のたびに唐突に近づくK君の気配…と思ったらはいキタ説教だよ説教キターーー!!!うるせーその口ぶんなぐっぞ!!!!

と今の私なら思いますが当時ゴリラに生まれ変わる前だったので普通に嫌だったし普通に怖かった。

(いや今でも怖いし嫌だわ理由なき説教。)(K君当時の私のどこにそんな君を怒らせる要素があったんだい?)

ここまで書いておいてなんですがK君が当時具体的にどんなことを言ったのかは全く記憶にありません。でもとにかく女房を奴隷扱いしておきながら離婚する気はないモラハラ夫よろしくばりの「お前はトロい」「だからお前はダメなんだ」みたいなニュアンスの言葉を言われたのは覚えています。そして当時まだピュアな自分はその言葉を間に受けちゃったんですね。いや~本当ピュアだわ今なら殴るぞ。

 話が逸れました。

ここで失神に至るまでのキーワードは『言われたことを真剣に受け止めすぎる』というのがまず1点。

まず最初は普通に話を聞く姿勢を取っています。ですが言われていることに対して「私がこうしなかったから悪いんだ」と考えるようになり、圧迫感(プレッシャー)を一方的に感じ始めます。そうすると、段々血の気が引いていくのがわかります。その後すぐに血圧が下がるせいなのかキィーーーーーンと音叉の高い音がずっと耳元で鳴ってる感じになる。自分が返事している声が遠くから聞こえる。頷く力もうまく入らない。というか頷けれてるのか返事出来てるのかもよくわからない。頭の中が砂嵐がかかったようにざあざあになる。脂汗が出てるせいなのか顔が冷たい。身体の感覚がない。目が霞んで相手の顔がよくわからない。顔が上がらない。視界が悪くなって気付かないうちにバッターーーンとなります。

そしてこの失神の良いところは早ければ30秒もしないで目を覚まし、失神後の体調が比較的良いところ。(あくまで個人の見解です。)

自分調べで申し訳ありませんが今まで遅くても1~2分程で自然に目が覚めてる。

しかも失神した後も普通に立てるっちゃ立てる。動ける。歩ける。なんなら走れる。むしろ失神中が休憩時間。(危ないやつの発想なので決して真似しないでください。)

冒頭に書いた血管迷走神経反射性失神、これは簡単に言うと長時間立ったままや座ったままの同じ姿勢で仕事をしたり、強い痛みを受けたり、精神的恐怖、ストレス、怒りを体験することが誘因となって起こる失神です。

 

「え~、親や上司に怒られることが精神的恐怖なの~?本当に~?」と思う人。

 

人の性格がそれぞれ違うように何に恐怖を抱くかは人によって違うんだよとやかく言うなほっといてくれ口出ししないでくれ頼みたくもないけど頼むぞ。

 

これまたポイントは『立ったまま×精神的なストレス、または恐怖』。

そして私にとって「精神的なストレス、または恐怖」というのは父親が9割を占めていると言っても過言ではない。

どんくさく、自分勝手な私は父を怒らせる天才である。特に私が十代の頃はヤバかった。どこで父の逆燐に触れるかわからないから高校では本気で寮に入りたかった。(しかし私が高校に入学した年に閉寮が決まってしまった。ジーザス!!!)二十代になってからはたまに言い返してもお怒りの時間が長引くだけだと経験則でわかってしまったのでもう何も言い返さないことを心に決めた。

(ちなみに父の怒り時間は私の「仕事辞めたい」というネタで最長31時間である。この人私が仕事が原因で自殺してもなんも思わないのかなと考えてしまった。)

正直父の怒りに付き合っても時間の無駄という他ないのだけれども、ここで逃げたらこの人本気で追っ掛けて殺しに来るなと思わせんばかりの形相である。気弱な人にありがちな「逃げるのもこわい」という状態。クレイジーだな。

 

しかし本当の問題はここ、『父は私の失神を演技だと思っている』ことだ。

演技というと誤解があるかもしれない。失神を「現実逃避の道具」として扱っている。

現に私は父のお怒りタイムで毎回失神する。失神しない日はないんじゃないかと思うくらい失神する。しかもお怒りタイムは予測できないところでゴングが鳴ったりするので最初は必ず立った状態からスタートなのだ!正直しんどい。

両親が離婚して父子家庭になったのが小学6年生、父のお怒りタイムで失神し始めたのがその頃だとすると、父はもう10年以上私の失神を見ていることになる。毎年必ず失神するわけではないけど失神した回数なんて両の手で数えても足りないくらいだ。

 

だけど父は私の失神を認めない。

それは父は『精神的な恐怖で失神したことがないから』に尽きる。

 

私も断片的な父の歴史しか知らないが、少なくとも空手をはじめとする多くの格闘技及び護身術の有段者である父は、これまで身体の痛みで失神したことはあっても心の痛みで失神はしたことはないだろう。

 

以前父が言っていたことがある。

「俺は食べ物の好き嫌いがない。だから食べ物の好き嫌いをする人間の気持ちがわからない」

これが全てだと思ってしまった。

 

私が言いたいのは、とにかく失神ひとつ取っても理解されないのは悲しいし、しんどいということだ。

父を怒らせたのは私だから、私が悪いから、私が失神しても父は何もしない。寄り添ったりもしない。「気ぃ失ってんじゃねえ!!」と怒鳴りはしても優しく声なんてかけない。短い時間で私の目が覚めるのを待って、私が涙を垂れ流しながら立てない様子を見て、やっと椅子に座らせる。そのときずっと、「早く死にたい」と漠然と思う。

 

父に言えばいいのだ。『父さん、私が倒れるのって血管迷走神経反射性失神っていうんだって。倒れるのは自分じゃコントロールできないから、せめて話をするときは最初から座りたいの』って。言えればいい。

でも私と父の間にはその言葉を言う信頼関係すらないのだ。

理由はもっと単純で『私が日常生活で失神することがないから』だ。もしも私が日常生活でしょっちゅう失神するようだったら、父はもっと私を大切に扱ったかもしれないし、その過保護っぷりにまた別のストレスを感じていたかもしれない。

しかし『お怒りタイムしか失神しない』となればそりゃ父が私の失神を認めないのも無理があるとは言い切れない。私は父の性格を鑑みて、自分の失神を認めてもらおうとは思わない。

父にはずっとこのまま自分が体験したことないことを理解せず死んでいって欲しい。

 

さあ話をタイトルに戻して、勤務中に失神した話をします。

シンプルな話、上司に説教されている最中に失神しました。

社会人になって早うん年。実は働いている間に失神するのは初めてでした。しかも普段は妙に頑丈な自分が話の途中で突然ぶっ倒れたことで上司を滅茶苦茶驚かせてしまいました。

説教されている内容をざっくり書くと、「お前が抱えているプロジェクト、全てがずさん過ぎる。出来てねーじゃん。このまま担当やれんのか?著しく不安を感じる」というものでした。当たり前ですが自業自得です。

今まで仕事で失敗して上司や偉い人に怒られることはあっても、殆んどの場合座った状態でお話されることの方が圧倒的に多かった。

でもこのとき、立ったまんまでした。

やっぱり立ちっぱなしは駄目なのね。

おそらく失神後目が覚めるまで10秒くらいだったので軽めだな(?)と思いましたが、もう3年ほど一緒に仕事してる上司に今まで見せたことない一面を見せてしまったためマッハで医務室に搬送されました。

どうでもいいんですが医務室の人ってなんであんなにやさしいんだろう。

医務室のベッドで横になってから、無意識に目から鼻水が垂れ出ていました。

なんでかって『失神しただけで医務室で横になれてるから』だよ!!!

いや怒られた自分にもショック受けてるんですけど、

なんで失神しただけで上司も医務室のおばちゃんもめっちゃ優しくしてくれるの!!???

ここユートピアなの!!!??(※職場です。)

 

このとき医務室のおばちゃんに血管迷走神経反射性失神かもしれないという話をポロっとしました。昔からよくなるとだけ言えたけど、本当に目から鼻水が止まらなくてそれ以上は喋れなかった。自分の中でそれほど「失神したら休ませてくれる」ことは大きな出来事だった。

目から鼻水垂れすぎて目蓋も鼻も薄皮ベロベロに剥けた。

 

幸せなことに途中で同じ部署のおねえさんが見舞いに来てくれたので、水を飲ませていただいてそのまま戻りました。最終的に40分くらい横になってた。幸せすぎる。

 

その後は私が失神した空間に居合わせた不運な同僚に謝りつつ、座りながらの作業をしていたら上司「ちょっと時間ある?」

上司への返事は「イエス」か「はい」しか持たない社畜の自分。説教の続きかなとビビっていたら近くの椅子に座らせ、パソコンの画面を見せて「お前血管迷走神経反射性失神なの?脳神経外科のホームページでした。

「そうかもってだけで、病院行って検査はしたことないです」

「そうか…。いや俺も今調べたけど、これ立ちっぱなしと精神的ショック、ストレスが誘因となって自律神経のバランスがくずれって書いてあるから多分これが当てはまったんだろ」

 

調べてくれてるんかーーーーーーーーーーーーい!!!!!!!!!

 

「お前倒れる瞬間俺が手引っ張ったの記憶あるか?」

「!!??全くないです!」

「ないのか!?頭ぶつけるかもしれないから引っ張ったんだぞ」

「なんか気付いたら倒れてました。上司さんが「お前もか!?」って言ったところから記憶はあります。んで少しして『Mさんか!』と思って目が覚めました」

※先週同じプロジェクトのMさんも高熱出して痙攣発作起こしてぶっ倒れたばかりだった。

「そうだよMのことだよ。お前倒れてる間も痙攣してたからな」

「え!!??私痙攣してたんですか!!?」

 

衝撃の事実である。実は私は『条件が重なったら失神することがある』ではなく『条件が重なったら痙攣しながら失神することがある』だったのだ。

大したことないかもしれないけど私にとっては大ニュースである。そっかーもっと静かに失神してるのかと思ったら全然身体動いてたのね。

 

「まあなぁ…。話聞いてヤバいと思ったんだろ。ヤバいと伝わったんならそれで良いよ」

「はい」

「精神的ショックとかストレスとか、まあ言われないのが一番だけど言われない訳にもいかんだろ」

「はい」

「俺もお前がそうだってちゃんと知ったらこれからは話するとき座らせるから、お前も人に話をするときはきちんと座ること。ちゃんと自分で予防してコントロールしろよ」

「はい」

「病院行ったらいくらでも検査してくれるんだから、これからストレスも頻繁にかかるからしょっちゅうなるようならすぐ病院行って検査しに行け」

「はい」

 

もう最後らへん目から鼻水垂れないように耐えるのが精一杯だった。

 

正直、上司が医務室の話を聞いてくれてちゃんと調べてくれて、きちんと自分に言ってくれるというのが想像以上だったため、その後トイレに大急ぎで駆け込み、

 

泣きすぎた。

 

失神してぶっ倒れて休ませてくれるだけでなく、調べて言ってくれる。全部父親にやって欲しかったことだった。

でもなんか巡りに巡って職場でその経験が出来たから、生きてれば自分に優しい世界ってちょこっとあるんだなと感じました。

トイレットペーパーで目蓋抑えてるもんだからもう薄皮ベロベロどころではない。完璧皮むけて赤くなってるし暫く保湿との戦いである。化粧水沁みるやつやん。

まじかよ二十代になるとこんな皮剥けるもんなの…?

 

もう今日の勤務時間の後半は殆んど泣く時間に費やしたけど周囲の人がみんな心配してくれて、もう社畜でもいいから仕事頑張ろうと思った。

 

退勤後に「明日無理そうだったら言えよー!」と遠くから声をかけてくれた上司、医務室にお見舞いに来てくれたおねえさん、こっそり様子を見に来てくれた後輩、医務室のおばちゃん、ありがとうございました。

 

皆さん自分の失神に不安がある方はすみやかに循環器内科か脳神経外科へ☆

 

 

(次回、失神のことで病院に行ってみた に続く)(続かない)