夫とのなれそめの話

6月に約12年ぶりに母に連絡を取ったんですけども、やっぱり返事はきませんでした。

sasa7923.hatenablog.com

それから2週間ほどしてから、案の定妹の誕生日に合わせるようにしれっと荷物を送ってきました。荷物の中身はいつも通り、お菓子の詰め合わせと洋服が1~2着、そして近況の手紙。私は手紙の返事はしない。メールで謝辞も送らない。いつも通りの一方通行な小包み。私の好みドンピシャに合わせたお菓子を入れてくるのも、またむかつく。

そんなことはさておき、今年の7月24日をもって結婚1年目を迎えました。入籍から1年経ちましたが、私たちの生活は特別な変化は起きず、ある意味いつも通りの日々を送っています。

私と夫との出会いは小学校4年生、夫が転校生として私のクラスに転入してきたところからスタートします。色素が少し薄めで柔らかそうな地毛に、眼鏡をかけた知的な印象の男の子で、初見でわかる「今まで身近にいなかったタイプ」の男の子でした。

ですがなにしろ閉鎖的な田舎の小学生、転勤でやってきた先生にも警戒して人見知りをかます子どもだったので夫に対しても最初は「なんだこの猿顔」と思い警戒していました。

ここまで書いて仲良くなったきっかけを必死に思い出そうとしたのですが、いまいち「これで仲良くなった!」というきっかけはなかったように感じます。ただ序盤から席が隣か前後のどちらかになることが非常に多く、話す機会が他の子より多かったです。本当に、席替えするときは完全くじ引きだったのに大抵隣か前後。離れることがほとんどなかった。なんだったんだろうね。

あとは『どっちの料理ショー』や『ザ!鉄腕!DASH!!』など、視聴しているテレビ番組が大体一緒だったので昨日の夜見たテレビ番組の話をよくしていたのはなんとなく覚えています。私の幼馴染の男子と夫が親友になったのも重なって、話す機会はますます増えて、知ってることも増えました。車とバイクが好きなこと、歳が少し離れた弟がいること、長ネギが嫌いなこと、両親が共働りで料理に興味があること、犬夜叉が好きでよく読んでること。知っていることが増えていくうちに、自然に好きになっていきました。

夫も大体同じだったようで「特別優しくされたとかそんなこと全然なかったのに、気がついたら大好きになってたんだもんな~」と最近しみじみ言っていましたが、当時まだ照れが出る男子小学生。はっきりと好意を伝えられるということはありませんでしたがつかず離れずみたいな感じで、周囲も暗黙の了解だったのか小学校の卒業記念文集に載っているアンケートランキングでは付き合いそうな人ランキングで見事クラス1位を取りました。そして夫がクラスのかっこいい人ランキングで1位を取っててめちゃくちゃビビりました。(好きなのと容姿の整いっぷりは完全に別物やろ~と思っていたので普通に顔立ちがきれいな男子に投票してた)(そして夫に投票してないと知った友人は「嘘でしょ!!!?????」と大層びっくりしていた)

そのまま中学校に上がったときからじわじわ事態が変わっていきます。

まずは中学1年生の夏から私から告白して付き合いはじめました。これには私の友人の女の子の猛烈な圧力(プレッシャー)がありまして、「告白しな!!!!」「告白しなかったら絶交する!!!!!」とことあるごとにぶっこんでくる友人だったのですが私はそれを真に受けちゃったんですよね。まんまと友人の策略(?)通り告白して夫からオッケーを貰いました。受難はここからです。

中学に入ってからはクラスは離れたものの部活が一緒だったので、付き合う前からくっついてる頻度は高かったんですけど付き合いはじめてからは本当に周りからクレームが来て部活の顧問から個別で呼び出されて注意を受ける日々を過ごします。顧問の先生本当にごめんなさい。部活で一緒だった同級生も本当にごめんなさい。

言い訳ですが部活も夫が先に入っていたので『自分が入ると「夫目当てで入った」とか周りに言われそうだしな…帰宅部でいいかな』って思っていたのに担任が部活の顧問だったので家庭訪問のとき父親の目の前で「今うちマネージャーいないんだよね?やんない?」とスカウトされてしまったがために入部したようなもんです...。いや今思えば部活動やっててよかったんだけどね…。当時やっぱり「夫目当てで入った」って言われたしね…。

今思えば完全に感情を理性でコントロールできてなかっただけなんですど、恋人としてのステップは手を繋ぐしかしてませんでした。ピュアだな。土日も部活で忙しかったのでデートとかも全然なかったのですが、それでも部活で一緒にいれたのでハッピーでした。

ですが2年生になってから、なんとなく、はっきりした理由もなく倦怠期を迎えます。

これについてはお互いなんだったんだろうねって話してますが、当時私の方は家庭内がごたごたしている最中で、容姿にも変化があり自分に自信が持てない時期でしたし夫も夫で視野がどんどん広がる時期でもありました。お互いなんとなく『恋愛している場合ではない』モードに入っていたのかな、と推測しています。その後自然消滅かな?と思っていたところで前述の友人が「あんたたち別れたの!!??別れてないならはっきりさせな!!???」と割って入ったことによって、きちんと面と向かってお別れしましょう、ということになりました。

その後は同じ部活動だったので、多少の気まずさはありつつもお互いあまり関わりすぎず、関わってもちゃんと選手とマネージャーとしてドライな関係になれたので『ああ、やっと部活における正しい関係になれたんだな』と淋しさを抱えながら考えてました。別れたからと言って部活を辞めて他の同級生や後輩と気まずくなるのが嫌だったので『別れました。でも部活は引退までちゃんと続けますのでよろしくお願いします』と顧問に報告もした。本当に一番迷惑をかけた先生だと思う。ごめんなさいを何回言っても足りない。嫌だよこんな中学生の案件。

その後はなんとか普通に部活をこなし、引退して、高校はお互い違うところへ行きました。前述の幼馴染の男子が私と同じ高校へ進学したので、そんな気はなかったと思いますがたまに『こないだ○○(夫)と会ってよー!元気そうだったぞ!』と近況を教えてくれました。高校に入ってからは年に一度くらいの頻度で部活のメンバーで集まっていましたが、そこに夫がいても必要以上には話しませんでした。本当に『元気?』『うん、元気』くらい。この頃まだ自分の容姿や身だしなみを気にしている時期で自信がなかったのもある。結局高校では特別好意を持つ人は現れず、『もう過去の恋愛に捉われても仕方ない。好きな人も出来なさそうだし、まずは自分のために生きよう。一人で生きていける力を身に付けよう』と決意し、アルバイトと生徒会活動と部活動に力を注ぐ高校生になりました。

そして高校を卒業したら私は地元を離れて大学へ進学し、夫は地元の専門学校へ進学しました。高校卒業時は夫の進路もよく知らず、というかすっかり蚊帳の外っていう感じでした。

大学に入って初めて親元を離れてからは毎日が楽しくて仕方ありませんでした。ダイエットもできるし夜更かしも昼過ぎまで寝ててもいい!!友人にファッションのことも教わりメイクも少しずつするようにして、スキンケアも大切にするようになりました。女として目覚めた感じ。

結果的には大学に入ってからニキビもかなり減ったしニキビ跡はメイクで隠せるようになったし体重も元に戻った。服装にも気を遣うようになりファッションの良し悪しも少しはわかるようになったのでだいぶ自分に自信を持てるようになっていました。

そして成人式。勝手に父親が買った桃色の振袖を着てちょこちょこ歩いたところに夫はいました。最後の会ったのが高校2年生くらいだったので、約3年ぶりの再会でした。そこでの会話も他愛のないものでしたが、とにかく自然に話せていたのが印象的で、成人式が終わってから幼馴染の男子から『遊ぼーぜ!』と連絡をもらい、幼馴染と部活で一緒だった同級生、夫、私の4人でゲーセンで遊んだときも、とにかく会話が自然。これまでの気まずさはどこへ?と疑問に思うくらい自然でした。『やっと普通の友達になれたんだ』と、肩の荷が下りたような気持ちになったのを覚えている。

あとこのとき『やっぱり夫の顔が私の好みのベースなんだな』と実感した。初対面猿顔って思ってたのにね。

このときやっと連絡先を交換しますが、特に連絡することはなくお互い学業に勤しんでる…と思っていたら夫が専門学校を中退していたことを父親経由で知ります。それでも特に連絡を取ろうとは思わず、『そうかーフリーターになったのか』ぐらいにしか思ってませんでした。

事態が急変したのは年末、私は帰省中に中学時代の友人2人とお買い物に出ていました。友人の1人は当時もう既に結婚していて、子どもが2人いました。上の子がぐずっているのをお母さんである友人が対応している間に、下の子を私と友人の2人で見ていました。私が当時まだ赤子だった下の子を抱っこしているところを友人が写真に撮り、なんかその写真が良い感じだったので、『産みましたって何人かに送ろうぜ!』と悪ふざけするに至りました。若さが生み出したブラックジョーク。最低です。

この送ったブラックジョークメークを受信した複数名のうち、夫もいたのです。

反応は人によってまちまちでしたが、夫はとても驚いて、とても真摯に、祝福のお返事をメールでしてくれたのです。

当然焦る我々。やべえ急いで訂正せなと慌てて真実をメールにしたため、また返信。夫は特別怒る訳でもなく、そっかーびっくりしたよというリアクションでした。

そこで、『帰ってきてるなら一緒に出掛けませんか?』とお誘いがきました。これまで1度も一緒に出掛けようなんて誘ったことはなかった夫の急激な誘いに戸惑いつつ、承諾して一緒にドライブへ行く約束をしました。

実家に帰ってから父親にその話をすると『万が一年末に事故ったら嫌だから年始にして。あとその日は帰ってこなくていいから』と、父親だけはその気でした。ですがこちとら恋愛からはそれなりに長い期間遠ざかってしまっていたので、『向こうはそんな気ないよ』とか言ってました。

気まずくなったらどうしようとか不安もあったのですが当日は至って普通に楽しくドライブして、ご飯を食べて、買い物をして帰りました。丁寧に家まで送ってくれて、帰宅したのが19時過ぎ。気まずくなることもなく楽しく過ごせて良かったなーと思いつつただいまーと言って帰宅するとパンイチで晩酌している父親に『なんで帰ってきたの!!!!!!!?????』と言われ、『なんでと言われても、送ってもらったから…』と返せば『手は繋がなかったの!!!!!?????告白は!!!!!?????チューは!!!!!!??????』と返され、『いや、普通に買い物してご飯食べただけだし』と返せば『あのヘタレが!!!!!!!』と言われる始末。可哀そうだな夫。

でも私自身も『彼にそんな気はない』と言い聞かせていただけなので、もしも告白されたらどうするかなというのを、そのとき初めて考えました。う~んでも告白もされてないのに考えるのもおこがましいかとか考えていたところで夫が勇気を振り絞って電話をしてくれて、「中学生のときは何もしてあげられなくてごめん。もう1度チャンスをください」と告白をされ、私は反射神経で「よろしくお願いします」と返事をしました。

それから5年ほどお付き合いを続け、なんの記念日でもない普通の日に入籍をしました。

お互い初めてお付き合いをした人で、結局中学で別れてからもお互い恋人ができなかったし特別好きな人もできなかったので、お互い全部最初の人と結婚することになりました。少女漫画かよ。

そして入籍から1年が経ち、やっとお互いのスケジュールを合わせて結婚写真を撮ることができました。私自身は和装がとても気に入っていたのですが、ドレス姿を見た夫がとても感動してくれたので、ああやってよかったなと思えました。

優しい夫、これからもよろしく。

結果的にキューピットになってくれた友人のお子さんに感謝を込めて。